食物アレルギーについて

食物アレルギーとは

食物アレルギーとは

食物アレルギーをお持ちのお子さんは少なくありません。食物アレルギーと聞くと、原因となる食物を口にした時にアレルギーがでた場合に、単に当該食物を遠ざけるしかないと考えられがちですがそうではありません。近年では、そこから一歩進み、「食べられる範囲」を見極めて積極的に食べる、という方針が打ち出されています。そのため、より慎重な検査(食物経口負荷試験)と、段階を踏んだ治療が必要になります。

食物アレルギーの臨床病型

食物アレルギーの治療

◆乳児アトピー性皮膚炎
乳児期から湿疹がひどく、食物アレルギーの関与が疑われる場合

◆即時型反応
離乳食などの食品により、口唇周囲から顔面・全身の発赤、蕁麻疹が出現。さらに進むと咳き込み、声がれ、喘鳴などの呼吸器症状や嘔吐、ぐったりしてくるなどのアナフィラキシー症状を起こしてくる場合

最近、経皮感作といって、皮膚の湿疹のひどい部位から環境に存在するアレルゲン(卵・牛乳・小麦など)が身体に入り、感作が成立するといわれています。従って、乳児湿疹がある場合は、保湿剤・ステロイドなどで湿疹をしっかりコントロールしながら離乳食を進めていくことが大切です。

◆消化管アレルギー
最近、卵黄などによる消化管アレルギーが増えています。
卵黄などの原因食物を食べると、3~4時間後に頻回に嘔吐します。 即時型反応と違って、特異的IgE抗体検査では診断がつきません。
ALSTというリンパ球幼若化試験を行いますが、当院では、専門病院と連携しこの検査を実施し、診断の参考としています。

食物アレルギー検査・診療

アレルギーの検査には、血液検査(特異的IgE抗体検査)により原因となりうる食物を検索し、必要に応じて食物経口負荷試験・食事指導が必要になります。

食物経口負荷試験(OFC)

食物経口負荷試験(OFC)

食物アレルギーは、最近の考え方として単に原因と考えられる食物を除去するだけでなく、必要最低限の除去、すなわち安全に摂取できる範囲を見極めて積極的に食べるという方向に変わってきています。そのためには、「食物経口負荷試験(OFC)」が必要になります。

OFCの目的は
◆診断の確定(血液検査だけでは、確定できない)
◆耐性獲得の確認(いつの間にか食べられるようになっている)
◆安全に食べられる範囲を決める

があります。

アナフィラキシー反応など重篤な誘発症状がある場合は専門病院などにお願いしています。OFCは完全予約制になっていますので、詳しくはスタッフまでお問い合わせください。

アレルギー専門栄養士による食事指導

アレルギー支援ネットワークより派遣された専門栄養士による食事指導を行っています。OFC後の除去解除を目指した栄養指導・食物アレルギーの関与が疑われる乳児の離乳食の指導などが中心になります。完全予約制(毎週水曜日午後2時~5時まで)です。

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